
受けていることでしょうが、必ず打ち勝っていく努力をしてくれると信じています。
言葉を求めて試行錯誤、親子で歩んできたこれまでの道は決して楽なものではありませんでした。でも、子供をいつも信じ、頑張ればできる子だし、また頑張れる子だと励ましてきたことが実を結んだような気がします。そして、良樹自身がいつも自分の学校に誇りを持ち、中学のときに得た「逃げないで苦しくても頑張れば必ずできる」この気持ちを未だに持ち続けてくれていることが、いまの良樹を育てたのだと思います。
それから、忘れてならないのが精神面で支えになってくださった難波克雄先生、耳のことについて、また、難聴児の教育の仕方について指導してくださった田中美郷先生、学校教育の中で相談にのってくださった担任の先生方とのめぐりあいです。その先生方が、いつも親身になって力を貸してくださったことは私たち親子にとって本当に幸せでした。
こうした皆さんのお陰で「お母さんをたたえる会」に出席させて頂き、表彰を受けたのですが、この賞は私一人ではなく、息子と私にくださったのだと思い、うれしく最良の喜びです。このとき、胸につけていただいた「ハマナスの花」の心を忘れず微力ながら、同じ障害を持つ人々のために力添えできればと、手話の勉強を始めました。
息子とともに歩み、息子から本当の優しさ、思いやりを教えられ、どんな些細なことにも喜びと感謝の心を持つことができ、人間として少しは成長したのではと思っています、振り返ってみれば、辛く長かったはずの息子との二十二年間も何故か短く感じられる今日このごろです。私はいま、とても幸せです。
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